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年末年始は1日1本ペースで映画を観ました

今週のお題「2020年の抱負」
年末年始はいつにも増して映画三昧でした。
昨年の夏にも書きましたが、今回もその備忘録を残しておこうと思います。

今回観たのは、

  • 『武蔵野夫人』(1951)溝口健二監督
  • 『山椒大夫』(1954)溝口健二監督
  • 『家族を想うとき』(2019)ケン・ローチ監督
  • 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019)片渕須直監督
  • 『ラストムービー』(1971)デニス・ホッパー監督
  • 『ハード・デイズ・ナイト』(1964)リチャード・レスター監督
  • 『忠次旅日記』(1927)伊藤大輔監督
  • 『河内山宗俊』(1936)山中貞雄監督
  • 『人情紙風船』(1937)山中貞雄監督

2019年12月28日から2020年1月5日の9日間で9作品。1日1本のペースで観ています。
すべて映画館で観た映画です。Amazonプライムビデオなどで家で観た作品を含めるとさらに多くなりそうなので割愛します。

溝口健二の2作品は高田馬場にある早稲田松竹、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は銀座の丸の内TOEI、『家族を想うとき』は有楽町のヒューマントラストシネマ有楽町、『ラストムービー』は新宿シネマカリテ、『ハード・デイズ・ナイト』は下高井戸シネマ、そして、『忠次旅日記』『河内山宗俊』『人情紙風船』は神田神保町の神保町シアターです。



『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』という邦題となっていましたが、現在は原題「A HARD DAY'S NIGHT」に近いタイトルに。


いつものごとく、名画座を中心に観てきました。なのでお金はそれほどかかりません。
年末年始は東京京橋の国立映画アーカイブが休みだったので行っていません。

今回もまた古い作品が多く、『忠次旅日記』(1927)が93年前の作品で一番古いです。
最新作は『家族を想うとき』と『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』です。
後者は先日にも書きましたが、2016年公開の『この世界の片隅に』に250カットを超えるという新エピソードを追加した作品です。



『家族を想うとき』は公開前から気になっていた1つ。
ケン・ローチ監督作品というと、『大地と自由』『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』ぐらいしか知らずにいましたが、是枝裕和監督や最近読んでいる社会学者の小熊英二氏も推薦していたこともあってぜひとも観ておこうと思っていました。



観た直後はそうでもなかったのですが、その日は怖い夢を見たり、寝つきが悪かったりと、かなり影響を受けました。後から後からいろいろと考えてしまいました。


『武蔵野夫人』『山椒大夫』は二本立てで1,300円と安価な早稲田松竹で鑑賞。
『山椒大夫』は小さい時に絵本でみた安寿と厨子王でおおよその話は知っていました。
原作は森鴎外で、青空文庫で無料で読むことができます。
ヴェネチア国際映画祭(1954)銀獅子賞。自然なシーンと物語の進行は現在見てもまったく遜色なく、まるで映画のお手本のような作品だと思いました。



『ラストムービー』はデニス・ホッパーの監督二作目として有名な作品。
何と言っても『イージー★ライダー』(1969)のインパクトが大きかったこともあり、評価はいまいちなようです。
この作品を1月1日元旦に観たのですが、個人的には(良くも悪くも)生涯忘れられない作品となるでしょう。


デニス・ホッパー、かなりかっこいいです。

会場には日本初公開時のポスター(上の写真、左側)も展示してありました。



『ハード・デイズ・ナイト』はこれまでに見た映画でベストの1つとして必ず挙げるであろう作品です。
ジョン、ポール、リンゴ、ジョージはフレッシュで、みんな仲が良く、何事にも全力で、裏表もないような、若さあふれるその姿に惚れ惚れしてしまいます。その後の4人の仲の悪さを知っているとなおさらです。
特に「And I Love Her」「I'm Happy Just To Dance With You」のシーンがお気に入り。
同名アルバムもザ・ビートルズでベストに挙げたいです。




『忠次旅日記』は弁士&ピアノ伴奏つきで楽しめました。
約1時間20分の比較的短い作品ですが、2千円でライブで活弁と演奏が楽しめ、まさに至極の時間を過ごせました。
活動写真弁士の坂本頼光氏とピアノ奏者の神﨑えり氏は、2019年国立映画アーカイブの上映でも聴くことができました。今回もどちらも素晴らしかったです。



『河内山宗俊』は今回初めて観ました。
『人情紙風船』はだいぶ昔に早稲田松竹で観ていましたが、今回2回目の劇場鑑賞となりました。
山中貞雄監督の作品は完全なものは3つしか現存していないそうで、神保町シアターでは『丹下左膳余話 百万両の壺』も現在上映しており、その3作品をすべて観ることができます。
『丹下左膳余話 百万両の壺』は大学生のときに観て以来、最も好きな映画作品の1つになっています。
痛快でテンポよく、笑いあり、人情あり、どこをとっても非の打ち所がない、完璧な作品です。これが1935年の作品とはとても思えないです。
『河内山宗俊』もまたその流れをくむような、痛快で爽快な作品です。ヒロインの原節子はこのとき15歳だったとか。すでに大女優の演技です。
『人情紙風船』はフィルムの状態も良く、セリフも『河内山宗俊』よりもずっと聞き取りやすかったですが、これが山中貞雄監督の遺作です。彼はこの作品の公開直後に召集され、中国で戦死しました。そうでなければ、戦後も素晴らしい作品を数多く残したでしょう。


というわけで、お正月に観た映画をまとめてみました。
冬は風邪をひきやすく、密室である映画館は風邪のウィルスをもらいやすい環境でもあるので、本当はあまり行きたくないところもあるのですが、時間があるとどうにも引き寄せられてしまいます(笑)。

今年もたくさんの映画を観ることになると思います。
たぶん100作品かそれ以上観ることになるかも。
ちゃんとカウントしたことがないので、それを「2020年の抱負」としたいです
そして、折を見て、今回のように備忘録を作りたいと思います。