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新Apple TV、新設計チップと省電力化、その先にあるもの

今月、Apple TV(第3世代)は新しいモデルナンバー(パートナンバー)としてリリースされました(関連記事)。Apple TVは2012年に第3世代が発売されました。今回、新しくなったApple TVも同じ世代であり、外観や機能的に違いはありません。製品型番MD199LL/A(米国)は同一でモデルが「A1427」から「A1469」へ変わっています。
その「A1469」の詳細なレビューをAnandTechが行っています。
Apple TV第3世代A1427とA1469
Apple TV第3世代A1427(左)とA1469
新しいApple TV「A1469」に搭載されたA5チップはChipworksの分析により最終的にはシングルコアであることがわかりました。A5チップには物理的にデュアルコアであったが、実際はシングルコアしか使っておらず、今回の再設計でそれを削除したようです。結果、32nmプロセスのまま、チップのダイサイズは縮小しました。こうしたやり方は、たとえばIntelのCPUのラインナップと比較すると興味深いです。AnandTechは例としてIntelは300ドルのクアッドコアCPUとその同じチップから2コアを無効にした100ドルのデュアルコアCPUを作ることを挙げています。
小型化されたA5(S5L8947)の大きさは6.1mm×6.2mm、面積は37.8m2です。これまで搭載されていたA5(S5L8942)は8.19mm×8.68mm、69m2でした。GPUはデュアルコアで以前のままです。製造はこれも以前と同様Samsungです。

旧A5チップ(S5L8942)と新A5チップ(S5L8947)のダイサイズの比較
Apple Silicon Evolution AnandTech
AppleのAxチップのラインナップ
新しいApple TV「A1469」では、Wi-FiとBluetoothの設計も刷新されています。こうした再設計により製造コストが削減することができ、省電力化を実現しています。前モデル「A1427」は平均1.6W程度でしたが、「A1469」は0.8W程度にまで下がっています。
Apple TV (3rd gen) Platform Power Consumption AnandTech
Apple TV第3世代A1427とA1469の消費電力
Appleは新しいApple TVをよりローコストで製造できるようになります。Apple TVはAppleの収益でそれなりの位置を占めているので、それだけでもAppleの増収につながると思われます。
もっとも、AppleがApple TVだけのためにA5チップを再設計したのではないとも考えられます。2012年にApple TVに搭載されたA5チップ(S5L8942)は、iPad2、iPod touch第5世代、iPad miniにも搭載された経緯があります。そこで、新しいA5チップは今年登場するといわれているiPhone廉価版(ローコストモデル)に搭載されるのではないかと考えられています。iPhone廉価版はシングルコアのQualcomm製Snapdragonを搭載するという見方もあります(関連記事)。AppleはこれまでiOSデバイスに自社設計のAxチップ以外を採用していません。可能性としては、同じシングルコアであるならば、Snapdragonよりも新しいA5チップを使うと考えられます。
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