Appleは来年までに独自のメインプロセッサを搭載したMacコンピュータの販売を開始する計画だとBloombergは報じています。
Appleは、iPhone 12に搭載予定のA14プロセッサをベースに、「Kalamata」と呼ばれているプロジェクトとして、3つの独自のMacプロセッサの開発を進めているそうです。そのうちの最初の1つはiPhoneやiPadに搭載されているプロセッサよりもはるかに高速になると関係筋は話しています。
関係筋によると、Appleは来年、自社設計のチップを搭載した少なくとも1つのMac製品を発売する準備をしています。
iPhoneやiPadのプロセッサを製造するAppleパートナーTSMCがMac向けチップを製造します。このプロセッサは次期iOS向けプロセッサと同じ5nmプロセスで製造されます。
最初のMac用プロセッサは、コードネーム「Firestorm」と呼ばれる8つの高性能コアと、コードネームで「Icestorm」と呼ばれる少なくとも4つのエネルギー効率の高いコアを搭載する予定です。Appleは将来的にはさらに12以上のコアを持つMacプロセッサを模索していると関係筋は話しています。
Appleの設計によって、一部のMacではIntelが提供するコア数を2倍または4倍になるそうです。例えば、現在のエントリーレベルのMacBook Airは2つのコアを搭載しています。
Qualcommなどと同様に、Appleは、ソフトバンクグループであるArmの技術を使ってスマートフォン用チップを設計しています。これらのコンポーネントは、Inlteの製品よりもエネルギー消費量が少ないことが多いですが、さらに、近年ではより強力なプロセッサも開発しようとしています。
Appleの手による最初のカスタムMacチップは、IntelがハイエンドのMacBook Pro、iMac、Mac Proなどデスクトップコンピュータに提供しているパフォーマンスに匹敵することができないため、Apple独自プロセッサ設計への移行は、ノートブックモデルから始まる可能性が高いです。
iPhoneと同様に、AppleのMac用プロセッサには、CPUと呼ばれるメインプロセッサと、グラフィックスチップであるGPUを含むいくつかのコンポーネントが搭載される予定です。Appleのローエンドコンピュータは現在グラフィックスにIntel製を使用していますが、プロ向け製品のグラフィックスカードにはAdvanced Micro Devices(AMD)と提携しています。
Kalamataプロジェクトは数年前から続いています。2018年には、Appleは社内テスト用にiPad ProのA12XプロセッサをベースにしたMacチップを開発したそうです。これにより、同社のエンジニアは早ければ2020年にもMacでIntelの置き換えを開始できるという自信を得たとBloomberg は報じていました。
Appleはすでに、2021年のiPhone用に計画されているチップのアーキテクチャを踏襲した第2世代のMacプロセッサの設計を開始しています。このことは、AppleがMac、iPhone、iPadを同じプロセッサ開発サイクルに乗せたいと考えていることを示しています。
Macは現在のところオペレーティングシステムとして、iPhoneとiPadのiOS/iPadOSではなく、macOSで動作しています。AppleはIntelベースのMac用に開発されたアプリケーションが新しいマシンでも動作するようにするためのツールを模索しています。Appleはまた、ソフトウェア開発者がiPadアプリを開発し、それをMacコンピュータ上で実行できるようにするCatalystと呼ばれる技術を有しています。
ここ数年、Macのアップグレードのペースが落ちてきています。新しいMacが出るまでに何年もかかることもあり、ユーザーの一部は懸念をしていました。Intelは、Appleが最近のMacの販売台数の減少の原因の一部と非難している製造上の問題に直面しています。
Kalamataは、Appleがこれまでで最も野心的に取り組んできたコンピュータチップの取り組みだそうです。そして現在、セキュリティや電源管理などのMacの機能のための特定のチップを提供し、メインのIntelプロセッサと一緒に動作しています。
via 9to5Mac