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iOS13.5で追加された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)接触追跡の詳細を確認

Appleが5月21日にリリースしたiOS 13.5には、公的保健機関から提供される新型コロナウイルス感染症(COVID-19)接触追跡Appに対応する接触通知APIが導入されています。

手元のデバイスでは「この地域では使用できません」と表示され、日本ではまだ利用できないようですが

この機能は、

  • 設定 > プライバシー > ヘルスケア > COVID-19接触のログ記録
  • 設定 > プライバシー > Bluetooth > COVID-19接触のログ記録

にて有効・無効の設定ができます。

記録を削除するには、「接触ログを削除」をタップします。
接触通知システムが不要になった場合、Appleは地域ごとに無効にするとのこと。


この機能を「有効にすると、iPhoneはBluetoothを使用してランダム識別子をほかのデバイスと交換できるようになります。デバイスが収集したランダム識別子は、接触ログに14日間保持されます。この接触ログにより、あなたが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にさらされた可能性がある場合に承認済みAppから通知を受けることができます。あなたが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された場合、デバイスのランダム識別子を承認済みのAppと共有することを選択すると、ほかの人に匿名で通知することができます」。「"接触のログ記録" は、"ヘルスケア" App内のデータへのアクセス、またはデータの追加はいっさいできません」。

なお、今回実装されたAPIはAppleとGoogleが協力して開発したのですが、「両社が開発したものはアプリではなく、公衆衛生機関が独自に開発するアプリに組み込むための API 」であり、日本では「内閣府のテックチームが進めるアプリ開発において、同APIの利用が前提とされている」(ケータイ Watch)。


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iOS13.5に追加されたCOVID-19接触のログ記録


AppleはGoogleと協力して濃厚接触通知APIを開発しました。
今回のAPI正式公開に合わせて、共同コメントを発表しています。

感染症の拡大時に公衆衛生機関が用いる最も効果的な対策のひとつに、濃厚接触者を追跡調査する「コンタクト トレーシング」と呼ばれる手法があります。このアプローチを用いることで、公衆衛生機関は感染者と接触した可能性のある人に連絡し、検査・治療・助言を提供することができます。「Exposure Notification(濃厚接触の可能性を検出するシステム)」は、このコンタクト トレーシングの分野に登場した新しい要素のひとつで、デジタル技術を活用して、プライバシーを保護しながらウイルスへの暴露の可能性を知らせる仕組みです。Exposure Notification は迅速な通知を実現するという特定の目標があり、無症状で拡散する可能性のあるウイルスの感染拡大を遅らせる上で、特に重要な役割を担います。
このような取り組みを支援するために、Apple と Google は、公衆衛生機関が開発するアプリが Android と iOS においてより正確、確実、かつ効果的に機能するようサポートする Exposure Notification の技術を共同開発しました。過去数週間に渡り、両社のエンジニアが協力し、世界中の公衆衛生機関、研究者、プライバシーの専門家グループ、政府機関のリーダーとの対話を通じ(同技術に対する)助言やご意見を頂きました。
本日より、Exposure Notification の提供を開始します。同技術は公衆衛生機関が利用でき、Android 及び iOS 搭載端末上で動作します。両社が開発したものはアプリではなく、公衆衛生機関が独自に開発するアプリに組み込むための API です。Apple と Google が提供する技術は、上記のようなアプリがより効果的に機能するように設計されています。例えば、この技術は端末の位置情報を収集・利用しないだけでなく、さらにユーザーは Exposure Notification の機能を有効にするかどうか自体を選択することができます。新型コロナウイルス感染症に罹患した人が、公衆衛生機関が提供するアプリで陽性の診断を報告するかどうかも、ユーザー次第です。この技術の成功は、ユーザーの利用にかかっており、私たちはこれらの強力なプライバシー保護が、そうしたアプリの利用を促進する上で最良のアプローチであると考えています。
Apple と Google では、引き続き世界各国の公衆衛生機関を支援して参ります。

Google Japan Blog: 公衆衛生機関を支援するために。Exposure Notification API を公開


iOS13.5の設定にある詳細は次のようにあります。

接触通知とプライバシー

接触通知では、プライバシーを保護するため、ローテーション方式のランダムなBluetooth識別子を使用して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していると示した人にあなたが接触した可能性があるかどうかを判断します。
 
政府または公的保健機関のAppは、ユーザの同意のもと、接触通知を使用して、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染していると示した人に接触した可能性があるかどうかを通知します。接触通知を有効にすることを選択した場合、ランダムなIDを収集して共有することについて、Appから許可が求められます。これにより、デバイスではBluetoothを使用して、10~20分ごとに変化する乱数の文字列であるランダム識別子(“Bluetooth識別子”)を配信できるようになります。これらの識別子は、プライバシーの保護を強化するため、少なくとも24時間ごとに変化するランダム生成キー(“ランダム・デバイス・キー”)からデバイス上で暗号化処理のように生成されます。Bluetooth識別子やランダム・デバイス・キーには、ユーザの所在地や身元に関する情報は含まれません。
 
この機能が有効になっているその他のiOSデバイスとAndroidデバイスは、Bluetooth識別子をリスニングし、自身もBluetooth識別子を配信します。デバイスは、Bluetoothの通信圏内に少なくとも5分間入っているその他のデバイスの識別子を、日付、推定接触期間、Bluetooth信号の強さ(まとめて“関連メタデータ”と呼ぶ)と共に記録し、安全に保持します。ユーザのプライバシー保護を強化するため、記録期間は最大で30分程度です。Bluetooth信号の強さから、デバイス間の距離を大まかに把握することができます。一般に、デバイスが近いほど、記録される信号は強くなります。あなたのデバイスのBluetooth識別子を受信したその他のデバイスも、同様にBluetooth識別子を関連メタデータと共に記録して保持します。
 
Appは、政府または公的保健機関によって陽性診断を受けたことや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の接触リスクがあると判断されたことを報告した人、およびランダム・デバイス・キーの共有を選択した人から、ランダム・デバイス・キーのリストをダウンロードできます。ダウンロードが完了すると、Appはデバイスで、このリストをその他のデバイスから収集して保持したBluetooth識別子と照合します。一致するものがある場合は、(一致した識別子ではなく)関連メタデータがAppで利用可能になり、Appから接触があったことを通知したり、講じる措置のガイダンスを受けたりすることができます。
 
接触の通知を受けた場合、Appで接触リスク値を生成することができます。政府や公的保健機関は、この接触リスク値を使用して、ガイダンスの内容をユーザに合わせて調整したり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの管理に役立てたりすることができます。接触リスク値は、関連メタデータと感染リスク値(後述)に基づいて定義および計算されます。感染リスク値は、政府や公的保健機関が一致したランダム・デバイス・キーに対して定義することがあります。接触リスク値も感染リスク値もAppleと共有されることはありません。
 
あなたが新型コロナウイルス感染症と診断された場合、または接触リスクの可能性がある場合、政府や公的保健機関は、App内でその旨を報告する手順を説明します。あなたが報告することを選択した場合、あなたのランダム識別子を共有するよう求められます。同意すると、過去14日分のランダム・デバイス・キーがAppと共有されます。政府や公的保健機関は、感染リスク値を各ランダム・デバイス・キーに対して定義し、送信することがあります。政府や公的保健機関が感染リスク値に使用するパラメータには、あなたが政府や公的保健機関に提供する情報(あなたが報告する症状や診断が検査で確定されたかどうかなど)や、政府や公的保健機関が感染リスクに影響を与える可能性があるとみなすその他の情報(職業など)が含まれる場合があります。あなたが政府や公的保健機関に提供することを選択した情報は、Appのプライバシーポリシーとその法的義務の条件に基づいて収集されます。
 
接触のログ記録を無効にするには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、“接触のログ記録”をタップしてオフにします。その他のデバイスから記録されたBluetooth識別子、関連メタデータ、あなたのランダム・デバイス・キーは削除されません。Bluetooth識別子、関連メタデータ、およびランダム・デバイス・キーを削除するには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、“接触ログを削除”をタップします。デバイスのBluetoothをオフにすることでも、その他のデバイスに対してランダムBluetooth識別子を共有および収集する機能が無効になります。Bluetoothをオフにしている間に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者に接触しても、Appから通知することはできません。Bluetoothをオフにしている間も、接触通知のほかの機能は動作し続けます。デバイスのBluetoothをオンに戻すと、その他のデバイスとランダムBluetooth識別子を共有および収集する機能が再度有効になります。
 
接触通知を使用するAppはデバイスに複数インストールできますが、一度にアクティブにできるAppは1つだけです。アクティブにするAppを選択または変更するには、“設定”>“プライバシー”>“ヘルスケア”>“COVID-19接触のログ記録”または“設定”>“プライバシー”>“Bluetooth”>“COVID-19接触のログ記録”と選択し、アクティブにしたいAppを選択します。
 
接触通知システムが不要になった場合、Appleは地域ごとに無効にします。

Source:iOS 13 のアップデートについて