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A12Z搭載Developer Transition Kitのベンチマーク:現行MacBook AirやARMベースのSurface Pro Xを上回る結果も

iPad Proと同じA12Zチップを搭載したカスタムMac mini「Developer Transition Kit(DTK)」が開発者のもとに届き始めています。開発者はこのDTKを使ってAppleシリコンを搭載するMac製品向けのアプリを準備することができるわけですが、一部の開発者がまず最初に行ったのは、開発者契約の守秘義務により本当はやってはいけないのですが、このマシンのベンチマークでした(苦笑)。

開発者でなくとも気になるベンチマークスコア。MacRumorsによれば、Geekbenchにアップされた「Developer Transition Kit」の平均スコアはシングルコアが811、マルチコアが2,871というものでした。

なお、 GeekbenchのテストソフトウェアはまだAppleシリコンに最適化されていないため、これらのテストはAppleのRosetta技術を使用し仮想化して実行されていることに注意してください。

比較として、MacBook Air(2020)のエントリーモデルは平均で、シングルコアが1,000、マルチコアが2,000以下です。


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A12Zチップ搭載Mac mini「Developer Transition Kit(DTK)」のGeekbenchスコア


Developer Transition Kitは、Rosettaを経由した非ネイティブで動作していながら、現行MacBook Airと同等のスコアを出していると9to5Macは指摘しています。特にマルチコアは同等以上です。
Rosetta経由で実行するとパフォーマンスが低下しますが、正確にどの程度になるかはわかっていません。開発者は25~40%程度の低下になると推測しています。

参考として、A12Zチップを搭載したiPad Proの平均スコアはシングルコアが1,118、マルチコアが4,625です。もちろんこれはArmアーキテクチャに基づくネイティブパフォーマンスです。Rosetta経由による影響を確認することができるでしょう。


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A12Z搭載Developer Transition Kit


別の視点からこのDeveloper Transition Kitのパフォーマンスを見てみましょう。
開発者のSteve Troughton-Smith氏が指摘するように、このMac miniに搭載された2年前のA12Z(2020年のiPad Proに搭載されているチップですが、そのベースは2018年モデルのA12X)は、GeekbenchのパフォーマンスでMicrosoftのArmベースマシン「Surface Pro X」を上回り、エミュレーションでx86_64コードを実行した場合でも、Surface Pro XがArmバージョンをネイティブで実行するよりも高速になるようです。



Geekbench 5の7つのベンチマーク結果を平均すると、MicrosoftのSurface Pro Xのシングルコアスコアは726、マルチコアスコアは2,831となっており、シングルコアのテストではA12ZがSurface Pro Xを上回り、マルチコアのパフォーマンスでも同等以上です。



Surface Pro Xは、Qualcomm SQ1チップをベースにMicrosoftが設計した3GHzのArmプロセッサを搭載しています。
一方、開発者に提供されたAppleのDTKは、2年前のA12Zチップを使ったテストマシンに過ぎません(2018年モデルのiPad Proに搭載されているA12Xチップと同じですが、余分なGPUコアがアンロックされています)。

Apple Siliconを搭載したAppleのArmベースのMacには、Mac向けに設計された新しいチップが搭載されます。この新チップは5nmプロセスとなる2020年のiPhoneラインナップ向けのA14チップをベースにしています。

最初のAppeシリコン搭載Macは今年末までに発売される予定です。
今回のベンチマークスコアやライバル製品とのパフォーマンスの比較をみると、いろいろと期待していまいます。

Source:MacRumors, 9to5Mac