「Nexus 9」は、将来のタブレットに重要な手掛かりを与えるかもしれません。
しかも、そんなに遠い未来ではなく、すぐそこにある新製品が見えてきそうです。
たとえば、12.2インチあるいは12.9インチともいわれている大画面iPad「iPad Pro」がそうです。
TechSpotは、非常に興味深いNexus9のレビューを公開しています。
以下、そのレビューを眺めつつ、近い将来のタブレットを見ていきたいと思います。
TechSpotは、最初に、鍵となるNexus9の特徴を2つ挙げています。
- Nexus9のサイズと重量
- 専用キーボードケース
ここだけ見るとあまり魅力的に見えないかもしれません。しかし、読み進めていくにつれ非常に奥行きが深いことが実感できるはずです。
Nexus9の画面サイズと重量
Googleは、Nexus9である意味予想外の9インチというサイズを選択しました。
それは何故でしょうか。
Googleは、片手で利用するのに十分軽く、Phabletをすでに所有していてもなお欲しくなる十分な大きさにすることを望みました。
The Vergeは、その点においても、Nexus9はまだ十分ではないと考えています。
Nexus9はほぼiPad Air2と同じ重量であり、iPad mini3/2よりも著しく重いため、長時間片手で保つことが大変なことがあります。重量が同じなら、よりディスプレイの大きなiPad Air2を選択する理由になります。
2つの種類のタブレット
タブレットには大きく分けて2つの種類があります。
1つは主に片手で持つもの、もう1つは両手で持つもの、です。
たとえば、iPad miniは前者です。しかし、Phabletの人気の高まりで、必要性は薄まった感もあります。
Appleは、iPad Air2で前者に挑戦しました。
具体的に、iPad miniは約0.7ポンド(約317.5g)以上の重量があります。そこから、片手で利用できるタブレットは0.8ポンド以下である必要があります。
一方、iPad Air2やNexus9は0.9ポンド(約408.2g)以上です。重量だけを見れば、それらはiPad miniを置き換える地位にまだ到達していません。
- iPad mini 3/2 331g(Wi-Fi)/341g(Cellular)
- iPad Air 2 437g/444g
- Nexus 9 425g
片手持ちがまだ実現できないのであれば、タブレットメーカー各社は、両手持ちのスタイルで、より大きな画面を得るように進むことになるでしょう。
TechSpotの考えでは、1.5ポンド(約680.4g)というのが両手持ちのタブレットしては最大の重量です。
たとえば、1.5ポンドのSurface2はそこに見合う一方、1.8ポンドのSurface Pro3(800g)はあまりに重すぎます。
1.5ポンドクラスのタブレットは、異なるアプリを同時表示させたりマルチタスクを十分に使える画面サイズを備えています。言い換えれば、このクラスのタブレットは生産性の高いタブレットであり、それ以外にも、ゲーム。ビデオなどコンテンツ受容においても満足できる大画面を備えています。
iPad Pro~12インチ級の最重要製品
このクラスのタブレットには、今後かなり注目すべき新製品が投入されるはずです。
それは、Appleが現在開発を進めているiPad Proです。
iPad Proは12~13インチといわれており、おそらく1.5ポンド以下の重量で来るでしょう。
数年後、おそらくは15インチぐらいまで、1.5ポンドクラスのタブレットのディスプレイは大型化され、そうした大画面タブレットがタブレット全体でも人気のある製品となるかもしれません。
人気があれば、価格も安くなるはずです。ノートPCでは長らく15.6インチサイズが最も安価で最も人気がありました。
Nexus9と純正キーボード
Googleは、Nexus9と同時に、キーボードケースを純正品として用意しました。
このことが、将来のタブレット製品の新たな指針となるはずです。
Nexus9とフォリオタイプのキーボードカバーは、Surfaceとタイプカバーに対するGoogleの回答です。
Nexus9+キーボードの魅力
Nexus9は9インチというサイズから、当然ながら、10.6インチのSurfaceのタイプカバーよりもキーボード自体が小さくなります。
しかし、Nexus9のキーボードは、触覚フィードバックを搭載しています。キーをタイプすれば、その感覚が指に伝わります。これは小さなキーを打たなければならない場合に非常に有効になります。
Nexus9とキーボードによって、Google Docsを素早く開き、すぐに文章を入力できます。その連携機能は驚くほどです。
Surface Pro3が容易にメモを取れるのを大きくアピールしたことを思い出してください。
Nexus9とキーボードカバーは、Surface Pro3の狙った市場でシェアを取れる十分すぎる可能性があります。あえていえば、問題はおそらく価格でしょう。Nexus9のキーボードケースは15900円。Nexus9本体の価格の3分の1以上もするのです。
ここで、Googleの選択した9インチというサイズは、キーボードとはミスマッチだったのかもしれません。
Nexus9のフットプリントでは、キーボードの物理的なサイズは制限されます。
スポンサーリンク
タブレットとキーボードの将来~来るべきタブレットの大画面化
ここまでのポイントを整理しておくと、
タブレットには、次のような種類に分けることができそうです。
- 片手持ち、~8型前後、300g台のタブレット
- 両手持ち、~12型前後、400g台のタブレット
- 料手持ち、12型以上、600g台のタブレット
もし、12インチで1.5ポンド(約680g)の重量で新しいNexusタブレットを作っていたのなら、そこに更に大きく使いやすいキーボードを組み合わせることができたでしょう。そうすれば、小型サイズのノートPCの代わりに、Nexus9が選ばれることもあり得ます。
Appleは、12~13インチとされる大画面iPadで、ビジネス分野や教育分野をターゲットにしているといわれています。AppleがIBMと提携したことを思い出してください。
ソフトウェアとハードウェアからみる次のタブレット
Microsoftは、先日、OfficeをiPadやiPhoneで無料に使えるようにアップデートしました。全機能ではありませんが、閲覧・新規作成・編集の主要な操作を無料でiPadでも利用できるようになりました。
Microsoftの決断も、タブレットデバイスの次のターゲットが生産性を求められる市場であることを示唆しているようです。
Appleがキーボードを効果的に利用できる大型iPadを出すことで、ソフトウェアとハードウェアの両方が出揃うことになります。
Appleは、iOSで2画面分割のマルチタスク機能をテストしていると伝えられています。Surfaceのスナップのような機能になると予想されています。
もちろん、Microsoftも、RTを含むSurfaceシリーズにテコ入れをしてくるはずです。Surface3に関する噂は以前より根強くあります。
OSの統合化とMicrosoft、Apple、Google
スマートフォン、タブレット、ノートPCなどデバイスを超えて統合していくような試みは、実はMicrosoftが先行しています。
Windows10では、スマートフォンの通知センターも搭載されます。
Microsoftは、将来のWindowsで、全てのサイズのデバイスを1つのOSに統合する計画です。その試みの一端はすでにWindows10のプレビュー版で披露されています。
AppleはiOSとOS Xを、GoogleはAndroidとChrome OSを持っています。現時点では統合化においてMicrosoftはAppleやGoogleよりも先に進んでいます。
一方、AppleはOS X Yosemiteにおいて、iOSの連係機能を大幅に強化し、iOSの機能のを多くを実装させました。
将来のiPadで、Appleは、iOSとOS Xを統合したまったく新しいOSを用意しているという情報もあります。早ければiPad Proと共に現れるかもしれません。
OSを統合することで、デバイスの垣根は更に小さくなるでしょう。ユニバーサル化されたアプリ開発は更に容易に効率的になるでしょう。そして、ユーザーもそれぞれのOSの違いに戸惑う必要もなく、それぞれのデバイスを使いこなすことができるはずです。
こうした将来の布石を垣間見せたのがNexus9であり、Googleです。
Nexus9だけを見ても、素晴らしい新製品であることは確かです。
しかし、Nexus9を通して、その先にあることも見えてきそうです。
参考:TechSpot
Nexus9に関する最近の記事
Nexus9とiPad Air2などの比較記事
iPad Proに関する最近の記事
iOSやOS Xに関する最近の記事
12インチRetina MacBook Airに関する最近の記事
Nexus 9 Wi-Fi 16GB/32GBモデル(ブラック/ホワイト)
Nexus 9 LTEモデル 32GB ブラックモデル
Nexus 9 専用キーボード・フォリオケース