Apple、6G通信への取り組みを拡大

Appleは自社製品に6Gセルラー接続を実装するための取り組みを加速させていることをBloombergのMark Gurman氏が報告しています。
Gurman氏は自身のニュースレター「Power On」の最新版で、Appleは自社設計の5Gセルラーモデムの開発が困難であると報道される中で、6Gへの関心を強めていると説明しました。

まず、Appleの5Gセルラーモデムの開発が非常に混乱していることについて、その要因として次を挙げています。

Appleは、Qualcommからコンポーネントを購入する契約を更新する必要がないように、モデムを完成させようとしている。両社は長年確執があり、Appleはこの重要なiPhoneの部品をQualcommに頼りたくない。また、これ以上の遅れは失敗を認めたことになる
モデムの開発は非常に難しく、世界規模でのテストが必要。また、スマートフォンを操作するのに必要不可欠な部品である。Apple製モデムが市場に出てうまく機能しなければ、Tim Cook CEO在任中の最大の失態となり得る
モデムを自社製することで、Appleは技術をよりコントロールできるようになり、経済的なメリットも得られる可能性がある。だからこそ、Appleはこの戦略を追求している。しかしながら、MシリーズやAシリーズなど他の自社製チップとは異なり、モデムは性能の大きな向上をもたらさないため、自社製への切り替えはマーケティング上の挑戦となっている

Appleはこのように、同社初の5Gモデムの開発に取り組む一方で、6Gを視野に入れたエンジニアの採用を増やしています。その最初の兆候は2021年に現れており、現在、Appleのウェブサイトに具体的な求人情報が掲載されています。

ただし、すぐに6Gの世界が訪れるわけではありません。6G規格は早くても2030年まで実現されず、5Gよりどれくらい速くなるのかも未知数です。

通信事業者各社はすでに次世代の6Gネットワーキングに取り組んでいます。Appleは2020年後半、Alliance for Telecommunications Industry Solutions（ATIS）が設立した業界団体であるNext G Allianceに参加しました。「5Gの長期的な進化とともに、次の10年にかけて、6Gとそれ以降の北米の移動通信技術におけるリーダーシップを発展させる」ことを目指しています。

Source: Bloomberg via MacRumors

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