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HDD価格は2014年までタイ洪水前の水準に戻らない?:IHS iSuppliより

HDDの製造は2011年10月のタイの大洪水から急速に回復しつつあるが、HDDの平均販売価格は2014年までタイ洪水以前のレベルまで下がることはないだろうというレポートをIHS iSuppliが公開しています。
HDDの平均販売価格はタイ洪水前のUS$51からタイ洪水後US$66まで急上昇しました。2012年第1四半期には同じ価格を保ち、2012年第2四半期にはUS$65とわずかに下がっています。
一方、HDDの製造は2011年第4四半期には29%の落ち込みがあったが、その後は順調に回復し2012年第3四半期までに完全に洪水前の水準に回復するとみられています。そして2012年第3四半期には洪水前の生産台数を上回る見込みです。
まとめると、HDDの生産は洪水前の水準に戻るのに対し、HDDの価格は高騰したまま、ということになります。その理由について、HDDメーカーの統合化が進んだことが大きな要因として挙げられています。HDD市場は、Seagate/SamsungとWestern Digital/HGSTの2つの陣営により全体の85%が占められます。SeagateはSamsungのHDD部門を、WesternDigitalはHGSTを買収することで、2大メーカーによる寡占化が進み、市場シェアは統合前の65%から85%へと上昇しました。
PCメーカーはHDDの安定した供給のためにHDDメーカーと第2四半期に長期契約を結んだといいます。この契約でのHDD価格は洪水前よりも約20%高額でした。これがHDDが今後も高額のまま推移する要因の1つです。仮にPCメーカーがHDDメーカーと長期契約を締結しなかったとしても洪水前の価格水準に戻るには継続した価格の下落が必要です。平均価格が四半期ごとに6%ずつ下がったとしても洪水前の価格に水準に戻るには1年間かかります。
HDD価格が下がらないもう1つの要因は、HDDの需要が依然として高いことです。まず、SNSや企業のクラウド化が進み、大容量のHDD需要は上昇しています。また、IntelのIvyBridgeの投入、MicrosoftのWindows8の投入によりPCのHDD需要も伸びていくことが予想されます。つまり、高い価格を維持していても十分な需要が見込める、ということになります。