Intelは2018年1月10日(現地時間)、CPUの脆弱性「Spectre」および「Meltdown」の対策後のベンチマーク結果を公開しました。
今回の発表は、主にオフィスワークを行うユーザーを想定しており、次の6つの環境において、SYSMARK 2014 SE、PCMark 10、3DMark Sky Dive、WebXPRT 2015のベンチマーク結果を確認できます。
- 第8世代Cofee Lake-S デスクトップ向け Core i7 8700K/Windows 10/SSD
- 第8世代Kaby Lake-R モバイル向け Core i7-8650U/Windows 10/SSD
- 第7世代Kaby Lake-H モバイル向け Core i7 7920HQ/Windows 10/SSD
- 第6世代Skylake-S デスクトップ向け Core i7 6700K/Windows 10/SSD
- 第6世代Skylake-S デスクトップ向け Core i7 6700K/Windows 7/SSD
- 第6世代Skylake-S デスクトップ向け Core i7 6700K/Windows 7/HDD
ベンチマーク結果は、脆弱性対策前のスコアを100%としての相対値として示されています。
Intel Security Issue Update: Initial Performance Data Results for Client Systems(PDF)
最も性能の低下が大きかったのは、SYSMark 2014の応答性テスト。
特にWindows 10/SSD環境のCore i7-6700Kでは対策前の79%しかパフォーマンスを発揮できず、実に21%の低下となっています。
開発元Bapcoによれば、SYSMark 2014の応答性テストは、
- Adobe Acrobat XI Pro
- Google Chrome
- Microsoft Excel 2013
- Microsoft OneNote 2013
- Microsoft Outlook 2013
- Microsoft PowerPoint 2013
- Microsoft Word 2013
- WinZip Pro 17.5
- Adobe Photoshop CS6 Extended
- Adobe Premiere Pro CS6
- Trimble SketchUp Pro 2013
- Adobe Lightroom 6
のアプリケーションが用いられ、
応答性シナリオには、アプリケーションの起動、アプリケーションのインストール、さまざまなタブを開いた状態での Web 閲覧、ファイルコピーによる写真操作、およびマルチタスキングなどの使用モデルが含まれます。
BAPCo SYSMark2014 SE ユーザーガイド(PDF)
オフィスワークを行うユーザーを想定したというのが今回のベンチマークですが、上記のようなタスクはそうしたユーザーが日常的に行うものが含まれていると思われ、そこで21%の性能低下(Core i7-6700Kの場合)は結構大きいのではないかと思います。
私はまさにこの世代のCPU(Core i7-6700)とWindows10をメインPCで使っています。2割強もパフォーマンスが低下すると思うとかかなりがっかりしてしまいます。
最新のCPUについては、それほどではないとIntelは説明しています。
Intelによれば、SSDを搭載した第8世代プラットフォーム(Kaby Lake/Coffee Lake)におけるパフォーマンスへの影響は小さく、SYSMark2014 SEベンチマークで予想される性能低下は6%未満です。ただし、特定のケースでは、一部のユーザーがより顕著な影響を受ける可能性があり、たとえば、複雑なJavaScript操作を含むWebアプリケーションを使用するユーザーは、最大10%と若干高い影響を受ける可能性があるとしています。また、ゲームのようなグラフィックス集約型や財務分析のような計算集約型の処理は、最小限の影響としています。
参考
- Intel、第8~6世代CPUで脆弱性対策後のベンチマーク結果を公開 ~性能低下はおおむね数%以内 - PC Watch
- Intel、「Spectre」「Meltdown」修正に伴う性能低下のベンチマーク公開 | マイナビニュース
- CPU脆弱性対策パッチによる性能への影響、インテルがベンチマーク公開 - CNET Japan
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