Appleは2024年にも自社設計の電気自動車「Apple Car」を生産するという報道が先日出ていましたが、AppleアナリストMing-Chi Kuo氏はその見方を強気すぎると指摘し、早くとも2025年以降になると最新リサーチノートで主張しています。
Kuo氏は以前のレポートでAppleがApple Carを2023～25年に発売すると予測していましたが、最新の調査によると、現在のApple Carの開発スケジュールは明らかになっておらず、年内に開発が開始され順調にいったとして、早ければ2025〜27年に発売されると予測しています。EVや自動運転車の市場変化やAppleの求める高品質な製品基準などから、Apple Carの発売スケジュールが2028年以降に延期されたしても不思議ではないとしています。
市場はApple Carに大きな期待を寄せており、Appleは様々な競争に対するアドバンテージを持っているが、必ずしも新規事業で成功しているとは限らないことを投資家に思い出すようKuo氏は警告しています。
たとえば、Appleはスマートスピーカー市場への参入に失敗したことを指摘。HomePodやHomePod miniの需要が予想を下回り、スマートスピーカーの新モデルの開発が一時中断していました。EVや自動運転車の市場はスマートスピーカーよりも競争が激しいため、Apple Carが成功するという結論に飛びつくのは危険だと考えています。
その上で、Apple Carの成功の鍵となるのは、ハードウェアではなく、ビッグデータおよびAIだと指摘。
Apple Carについての最大の懸念事項の1つは、Apple Carが発売されたとき、他社は少なくとも5年分のビッグデータを蓄積しており、ディープラーニング/AIも進化させていることです。後発であるAppleはこの遅れをどのように克服するのかが鍵となります。
Reutersは、Appleの自動運転車は、バッテリー材料を収めるポーチやモジュールを排除することでバッテリーパック内のスペースを広げる、ユニークな「モノセル」バッテリー設計を採用し、1回の充電での航続距離を伸ばすことができると報道していました。
TeslaのCEO Elon Musk氏は最近、TwiiterでApple Carの噂に反応し、「モノセル」バッテリーは「電気化学的に不可能」だと主張しました。
また、モデル3の生産が見通せなかった時期にAppleにTeslaの買収を持ちかけたところ、現在価値の10分の1であったにもかかわらず、AppleのCEO Tim Cook氏に会うことを拒まれたと明かしました。
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