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8GBメモリのM1版MacBook Airの限界に挑戦!16GBはほとんどの人には必要ないことを検証

M1を搭載したMacBook Airのベースモデルで、どのくらいの作業ができるか。
本当に悩ましい問題です。
M1版MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniの一番安いモデルにはいずれも8GBのメモリーを搭載しています。
Appleは16GBのオプションも用意していますが、それにはプラス2万円かかります(Airの場合2.5万円)。

9to5MacのStephen Hall氏は、ベースモデルのMacBook Airを使い、この8GBの限界に挑戦しようと試みています。
彼は昨年購入した Core i9、1TBのストレージ、16GのRAMにアップグレードした16インチMacBook Proハイエンドモデルをメインに使っているそうですが、今回、M1の誘惑に負けて、ベースモデルのMacBook Airを入手しテストを行ったそうです。

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M1版MacBook Air


まず、12のアプリを一斉に開いたところ、速度が落ちる気配はありません。
Rosetta 2でエミュレートされた2つのx86アプリを追加したところ、同じく問題ありません。
画面切替えでフレームが落ちるかどうかを確認するために、フルスクリーンで実行している1つのアプリを追加しても、問題ありません。
24個のタブの開いたSafariウィンドウを開いたところ、それでも問題ありません。
さらに6つのSafariウィンドウを追加しそれぞれに2160pで動画を再生、Slackを全画面で動作させ、バックグラウンドでSpotifyを再生し、Monosnapでスクリーンショットを撮影しようと試みました。そうすることでようやく、初めてコンピュータが異変を示し、おなじみのレインボーカーソルが現れました。



信じられないことに、ここまでマシンを追い込んでもフリーズしてしまうことはなく、再び通常のラグのない使用まで回復できたそうです。
マシンがほとんど動作していなかったので非常にゆっくりとですが、再生中のYouTubeの4K動画を1つずつ閉じていくことだけで通常の状態に回復させることができたそうです。
動画を一つ一つ閉じるごとに、MacBook Airはわずかに復活し、最後の一つで、他のものは開いたままでも、通常通りのパフォーマンスまで戻すことができたそうです。

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M1チップ


続いて、外付けディスプレイを接続した状態ではどうかと質問を受けたので、それも試しています。
13のアプリを開いてドックで実行し、7つのYouTube動画をフル解像度で再生し、外付けディスプレイ上でフリックしてもほとんどフレームが落ちることはなかったようです。

こうしたテストを行っていても、M1版MacBook Airは目立って暖かくなるほどもなく、ファンレスなのでノイズも発生しません。
一方、16インチMacBook Proは全く異なり、ファンがうるさくなり、その騒音が部屋中で聞こえるほどだとか。



なお、GPUに関してはここでは特にテストしていないそうです。
まず、このベースモデルのMacBook AirはGPUコアが7つで、他のすべてのM1版Macの8コアよりも1つ少ないのです。
にもかかわらず、7つのフルスクリーンのYouTube動画を同時再生しもフレームが落ちないのであれば、ほとんどのユーザーにとってはそれで十分だと思われます。

不足の点があるとすれば、このテストの時点では公開されていなかったARM版Chromeではどの程度のパフォーマンスか、というところでしょうか。


そこで、WSJのレビューにChromeのテストが掲載されていたのでご紹介。

ここでは、8GB RAMのM1版MacBook Air、16GB RAMのM1版MacBook Pro、Intel版MacBook Air、Intel版MacBook Proがテストされています。

まずは最もリソースを消費するブラウザー、グーグル「クローム」からだ。タブを50個開いても、M1搭載のシステムはいずれもセ氏27度を超えることはなかった。インテル製チップ搭載のAirは、タブを35個開いたところでファンが回転し始め、約32度に達した。

 タブを65個開いたところ、M1搭載のAirはまだ発熱せず静かだったが、スクロールやタブの切り替えが遅くなっている兆しが見え始めていた。インテル製チップ搭載の13インチのMacBook Proは、タブを75個前後開いたところでファンの回転速度が上がった。タブを100個開いても、M1搭載のProはとても静かで、ページのスクロールもスムーズだった。途中でズームを使用して通話をしたときでさえ、静かなままだった。MacBook Proの温度が約37度に達し、ファンがようやく稼働し始めたのは、アドビの動画編集ソフト「プレミア」で4K動画をエクスポートしながらアクションゲーム「ライズ・オブ・ザ・トゥームレイダー」をプレーし、その背後で複数のクロームタブを実行したときだった。
(…)
総じてMacBook Proの方がAirよりもスピードが速いと感じた。これは、ファンのおかげで最高潮のパフォーマンスを長く維持できることと、テストに使用したMacBook ProにはAirの2倍に当たる16ギガバイトのRAMが搭載されていたためだ。

新型MacBook、M1チップで長年の不満におさらば WSJ記者レビュー - WSJ

 

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M1版MacBook Air

 

8GBのM1版MacBook Airは買いか?

では、ベースとなるMacBook Airは十分なパワーを持っているのでしょうか?

大多数の人々にとっては、複数のアプリや1ダースのブラウザタブを開き、複数の種類のメディアを同時に再生しながらマルチタスクを行う「プロフェッショナル」なユーザーであっても、8GB RAMを搭載したベースモデルで十分としています。

しかも、十分であるだけでなく、動作を遅くするのは非常に困難ですらあります
Adobeスイートのマルチタスクであれば、このマシンでは不満が出るかもしれないが、それでもARM版が出れば、その不満も吹き飛ぶかもしれません。

では、Final Cut Proはどうでしょうか。
ここでは別記事からちょうどよいテスト結果をご紹介。

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Final Cut Proで5分の8Kクリップをエクスポート: TechCrunch

例えばFinal Cut Proで5分の8Kクリップをエクスポートすることを考えてみよう。Proで33分13秒、Airで32分59秒というその結果の差は、正直なところ無視しても構わないものだ(一方、参考までにMac Proは、5分半という圧倒的な速度で両者に打ち勝った)。WebKitのコンパイルを同様に実行してみた。それはAirで25分5秒、Proでは20分43秒だった。この違いは完全に無視できるものではないが、どちらのシステムも2019年の16インチMacBook Proの26分56秒を打ち負かした。そしてどちらのM1システムも、処理中に失ったバッテリーは9%程度に過ぎず、これは16インチMacBook Proの39%に対してはるかに少ない。

M1搭載MacBook Airレビュー、新しい扉を開けたAirは多くの人におすすめしたいAppleシリコンMac | TechCrunch Japan


重要なことは、ほとんどのユーザーにとってMacBook Airはウェブブラウジングや軽い作業などのために使うものだということです。
ベースモデルのMacBook Airは十分にパワフルであり、意外に思われるかもしれないが、16GB RAMにアップグレードするために2万円の追加料金を払うのはほとんどの人にとって価値がないだろうとHall氏は指摘しています。


確かに、上のFinal Cut Proのテストでも示されていますが、マジに作業するにはM1版Macは向いていません。
それは16インチMacBook ProやiMacでM2やM3といった次世代Appleシリコンチップが搭載されてから、ということになるのでしょう。


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