M1版MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniのレビューが解禁となり、各メディアからのレビューが出揃いました。
それらを読んで、興味深い箇所や注目すべき箇所を確認してみました。
まずは、こちらの記事。
レビューされているのは、M1版MacBook Pro(メモリー8GB・ストレージ256GB)。
比較機種として、Intel Core i5-1038NG7(いわゆる第10世代Core i5)を搭載した、2020年モデルのMacBook Pro(メモリー16GB)。
「Premire Rush」「Rise of the Tomb Raider」や「Civilization 6」といったIntel版アプリでのパフォーマンス比較が興味深いです。
たとえば、「Premire Rush」によるテストではM1版MacBook Proの方が4倍以上高速という結果に。
しかも、動作中は「静か」であり、「バッテリー動作時間も倍、コスパの面でも、もはやIntel版を選ぶ理由はない」、「ここまで破壊的な製品は、本当に久しぶりだ」と締めくくられています。
また、同じ西田氏によるASCII.jpも併せてどうぞ。
続いて、次の記事。
用意されていたのは上記と同じ13インチMacBook Pro(8GB、256GB)。
それと、Core i9-9880Hを搭載する「16インチMacBook Pro(2019)」、Core i5-1030NG7を搭載する「13インチMacBook Air(2020)」、そしてA12X Bionicを搭載する「12.9インチiPad Pro(第3世代)」、A14 Bionicを搭載する「iPad Air(第4世代)」との比較を含むレビュー。
「なにしろRosetta 2で変換したバイナリで実行されているPremiere Proで、5分の4K動画の書き出しに3分18秒81しかかからない。サードパーティーからM1ネイティブアプリが出そろえば、膝上でクリエイティブワークを快適にこなせる環境が実現するはずだ。」という大変好意的な評価です。
次に行ってみましょう。
M1搭載の3機種(MacBook Air/MacBook Pro/Mac mini)に、MacBook Air 2020年モデル(2コア、Core i3、メモリ8GB、ストレージ256GB)、参考としてMacBook Pro 13インチ 2020年モデル(2.0GHz、4コア第10世代Core i5)、iMac 27インチ2020年モデル(3.6GHz、10コア第10世代Core i9)の合計6機種のベンチマークを比較した記事。
興味深いのは、M1版MacBook Airの一番安いモデルだけに搭載されている7コアGPUと、その他モデル搭載の8コアGPUの違いが確認できたとしている点。7コアは8コアの「だいたい85%程度の性能に」なるそうです。
もう1つの興味深い点。
10分間の負荷をかけ続けるベンチマーク「Cinebench」で気づいた点として、「冷却性能の違いがCPUのパフォーマンスの差に」出ているのではないかという考察。
M1版MacBook Airの場合、「10分間の連続負荷状態では、冷却が足りずに、途中でCPUのクロックを落として発熱を抑えていると考えられる」。MacBook Proはベンチ途中からファンがフル回転するも「冷却が十分ではなく、わずかながらクロックを落として対応しているのではないかと推察できる」。
M1版Mac miniは、ファンは回転するもフル回転ではないようで、「CPUのクロックを落とす必要が生じないものと思われる」。
自分のメインの作業がどの程度不可の高い作業かどうかで、3モデルでどれを選ぶべきか自ずとと答えが出てくるのではないでしょうか。
7コアGPUのMacBook Airの最安値モデルのレビューはこちら。
続いて、3機種の「熱設計の違いによって製品ごとのパフォーマンスがどの程度変わるのか」を検証した記事がこちら。
ここでは、「Cinebench R23」を用いたテストが考察されており、ファンレスのMacBook Airより冷却ファンのある13インチMacBook Proで「日常的な使い方で違いを感じることはまずないだろう」。「一方で13インチMacBook ProとMac miniの差は極めて小さく、30分間連続でテストを続けてやっと少しだけ差が出る程度だった」としています。
同じくCinebench R23のテストはCNET Japanでも実施しており、30分のベンチでMacBook Airが若干落ちる(マルチプロセッサで7800→6600程度)に対し、MacBook Proは7450の低下に抑えており、Mac miniに至っては全く変化ないという結果でした。
Intel版Macとの比較は、M1ネイティブの動画編集アプリ「Final Cut Pro」で12分のフルHD・30P動画をH.264で書き出した結果がわかりやすいです。
- M1搭載MacBook Air:2分57秒
- M1搭載13インチMacBook Pro:2分57秒
- M1搭載Mac mini:2分55秒
- Intel Core搭載16インチMacBook Pro(2020、i9モデル):2分23秒
- Intel Core搭載13インチMacBook Pro(2018、上位モデル):11分7秒
しかも「処理後の筐体はファンレスのMacBook Airでもほんのりと暖かい程度」だったとか。
また、同じ13インチのM1版MacBook AirとMacBook Proのどちらを購入するか迷っているユーザー向けに違いを列挙してくれています。
- 重量はAirの方が110g軽量
- ProはTouch Barを搭載
- Proはスタジオ品質のマイク(方式は同じだが音質が異なる)を搭載
- バッテリー容量はProの方が大きい(Proは58.2Wh、Airは49.9Wh)
- ディスプレイ最大輝度はProの方が高い(Proは500nits、Airは400nits)
- トラックパッドはProの方が大きい
- 付属するUSB-C電源アダプターの出力はProの方が高い(Proは61W、Airは30W。充電時間の違いはあるが相互に利用は可能)
このモデルからMacBook AirでもDisplay P3対応となり、画面の差は更に小さくなっているといえそうです。
本田氏による別のメディアによるレビューも。
Apple Silicon搭載Mac、3モデル徹底比較 M1の性能は予想外の「ほぼ同じ」(本田雅一) - Engadget 日本版
「予想以上だったAirのパフォーマンス」と「予想外に小さいProとminiの差」から、「スイートスポットはどうやらMacBook Airのよう」だとしています。
そこから、予想以上に「3シリーズ間の性能差が小さい」と言え、拡張面であまり差がないことが不満になるかもしれません。
3機種ともにThunderbolt3は2ポートですから。
そのあたりを総合的に見ると、こも3機種の中では、MacBook Airで最も買いかも。
いやいや、性能をフルに使えるMac miniを選ぶべき。
一番安いしね!という方には次のレビュー。
- Apple M1搭載「Mac mini」レビュー 超小型デスクトップの常識を変える | マイナビニュース
- M1の異常な性能 または私は如何にしてiPhoneを毎年更新するのを止めてApple Silicon Mac miniを買うようになったか (1/3) - ITmedia NEWS【NEW】
筐体に余裕があり、冷却性能も高く、M1チップの性能を余すことなく使えるのがMac miniなのです。
外出先でも、最高の性能を、というのであれば、MacBook Proしかありません。
松村氏の次のレビュー記事によれば、「こうした原稿を1時間半にわたって書いても、バッテリーは1%しか減りません。もう1時間半仕事をして98%になったところで、4Kビデオ編集を開始して3時間経過しましたが、それでやっと75%まで電池を減らすことに成功しました。」「レビューの4日間、フル充電から電池を使い切れた日はありませんでした。」というのだから驚きです。
いやはや、迷ってしまいます。
でも、こうやって迷うのがまた楽しいことなのかもしれません。