iPhone XSが発売される前を思い出してみると、Appleは、iPhoneのラインナップに対してわかりやすいシンプルなアプローチを採ってきました。ユーザーは真新しいモデルを選ぶことも、あるいは前年のフラッグシップを含むさまざまな旧モデルを選ぶこともできました(iPhone SEは例外かもしれませんが、幸か不幸か、現在はラインナップから外れています)。
2018年、そのシンプルなラインナップに変更が加えられました。
前年のフラッグシップであるiPhone Xが終息してしまい、次のようなラインナップとなったのです。
- フラッグシップモデル:iPhone XS/XS Max
- ローエンドモデル:iPhone XR
- 旧世代のホームボタン搭載モデル:iPhone 7/8
悲しいかな、誕生10周年で満を持して登場した記念碑的モデルがわずか1年で姿を消したのです。
それでは、2019年はどうなるでしょうか。
2018年のフラッグシップモデルであるiPhone XS/XS Maxは、2019年のフラッグシップモデルに置き換えられ、2017年のiPhoneXのように販売終了するのでしょうか。あるいはXS登場以前のアプローチに戻り、XS/XS Maxを値下げして手頃な価格の旧世代モデルとしてラインナップに残すのでしょうか。
Macworldは9月10日のイベントに関する3つの大きな疑問の1つとして、今年のiPhoneラインアップを挙げています。
image: AppleInsider
これを受けて、9to5Macは次のように2020年のiPhoneラインナップを予想しています。
- フラッグシップモデル(2サイズ)
- ローエンドモデル(2018年のXRに相当)
- 大きく値下げされ低価格となった初代iPhone XR
- ホームボタン搭載モデルは完全終了
iPhone XRの価格は749ドルですが、Appleは通常の場合、旧モデルの価格を1年あたり100ドル下げるため、2019年モデル発売以降は649ドル、そして2020年モデル発売以降は549ドルになるはずです。しかしながら、現在購入可能な最も安いiPhoneであるiPhone 7の449ドルよりも100ドル高くなってしまいます。
Appleはもう少し積極的に価格を下げて499ドルにするかもしれませんが、いずれにせよ、エントリーモデルを望む顧客の多くはFace IDを備えた新しいデザインのiPhoneを選ぶでしょう。
ここで、2019年のiPhoneラインアップを再び予想してみると、それは妥協の年となると9to5Macは考えています。
449ドルの低価格モデルを望む顧客に値下げされた649ドルのモデルを購入するよう頼むことはできないでしょうし、かといってAppleはそのモデルを更に値下げし549ドルにすることも難しいでしょう。特に12月からの米国輸入の15%の関税が余計にかかるのでなおさらです。
最後に、2020年以降についてです。
2021年に何が起こるでしょうか。オリジナルのiPhone XRは、さらに100ドル値引きされ449ドルとなり、実質的には新しいiPhone SEのポジションに置かれます(ユーザーは価格ではなくそのサイズでiPhone SEを購入したという事実をAppleは無視しているかもしれませんが)。
そして、次のようなラインアップになるかもしれません。
- 新しいフラッグシップモデル
- 新しいローエンドモデル(XRに相当)
- 前年のフラッグシップモデルは終息
- 低価格モデルを望む顧客には2年以上古いXR同等製品を購入
日本でも、10月以降消費税が上がり、端末の値引き販売が規制されます。
これまでは定価の半額ほどで端末を入手することができましたが、10月以降は値引きの上限が2万円になり、iPhoneなど高価な製品の販売は落ち込むと予想されています。
AppleはiPhoneラインアップとその値付けにこれまで以上に頭を悩ませるかもしれません。
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