Retina iPad mini、iPad mini第1世代、Nexus7（2013）、iPhone5s、iPhone5のベンチマーク比較

iPad mini Retinaディスプレイモデル（第2世代）、初代iPad mini（第1世代）、Nexus 7（2013）、iPhone 5s、iPhone 5の各種ベンチマークを計測しました。
新旧iPad miniとNexus7（2013）との7インチクラスタブレットの比較、同じフラッグシッププロセッサ（Apple A7）を搭載したRetina iPad miniとiPhone5sとの比較、新旧iPhone同士の比較などが行えると思います。

（写真はNexus7（2013）とRetina iPad mini）

対象機種

iPad mini Retina（iOS 7.0.3）

iPad mini 第1世代（iOS 7.0.3）

Nexus 7（2013）（Android 4.3）

iPhone 5s（iOS 7.0.3）

iPhone 5（iOS 6）

測定したベンチマークは、「SunSpider Javascript Benchmark 1.0.2」、「Mozilla Kraken Benchmark - 1.1」、「Google Octane benchmark 2.0/1.0」、「Browsermark 2.0」、「Geekbench 3」、「GFXBench 2.7」、「3DMark」「Speedtest.net Mobile Speed Test」、「RBB TODAY SPEED TEST」です。
スコアはそれぞれグラフにまとめたので、視覚的にも把握しやすいと思います。
ブラウザのパフォーマンス比較
「SunSpider Javascript Benchmark 1.0.2」「Mozilla Kraken Benchmark - 1.1」「Google Octane benchmark 2.0/1.0」「Browsermark 2.0」の計測結果です。各モデル標準ブラウザ（iOSではsafari、AndroidではChrome）を用い計測しています。
Javascriptなどブラウザの総合的な性能を比較することができます。

SunSpider Javascript Benchmark 1.0.2

iPad mini Retina：401.6 ms

iPad mini 第1世代：1279.9 ms

Nexus 7（2013）：1042.9 ms

iPhone 5s：398.6 ms

iPhone 5：902.7 ms

数値が少ないほど良い結果です。
Retina iPad miniとiPhone5sが僅差で並び、最も良い合うコアを出しました。続いて、iPhone5、Nexus7（2013）の順番です。Retina iPad miniは初代iPad miniの3倍以上の処理速度向上を確認できます。

Mozilla Kraken Benchmark - 1.1

iPad mini Retina：6011.0 ms

iPad mini 第1世代：30515.0 ms

Nexus 7（2013）：12938.2 ms

iPhone 5s：6118.8 ms

iPhone 5：20688.5 ms

数値が少ないほど良い結果です。
Retina iPad miniとiPhone5sが首位です。Nexus7（2013）がiPhone5を上回る結果となっています。ただし、今回は試していませんが、iPhone5をiOS7にアップデートすることで速度の改善がなされるはずです。
Retina iPad miniとiPad miniとは、5倍もの開きがあります。

Google Octane benchmark 2.0

iPad mini Retina：5101

iPad mini 第1世代：1399（incomplete）※Octane 1.0：1425

Nexus 7（2013）：2734

iPhone 5s：5056

iPhone 5：1717

数値が大きいほど良い結果です。
ここでも、Retina iPad miniとiPhone5sはほぼ同じスコアです。その次に、Nexus7、iPhone5が続きます。
新旧iPad miniは3.6倍の開きがあります。

Browsermark 2.0

iPad mini Retina：3708

iPad mini 第1世代：2579

Nexus 7（2013）：2829

iPhone 5s：3516

iPhone 5：1318

数値が大きいほど良い結果です。
Retina iPad miniとiPhone5sとで、少しだけですが、スコアに開きが出ており、Retina iPad miniがiPhone5sを上回る結果となりました。
iPad mini第1世代も健闘しています。一方、iOS6のiPhone5は揮わない結果となりました。これはiOSのバージョンの違いと思われます。iPod touch第5世代でiOS6とiOS7にて同テストを実施した結果、iOS7のスコアが2倍以上となりました。

iPod touch第5世代をiOS7にアップデート iOS6との性能比較

下記はiOS7のiPhone5の結果を含むグラフです。iPhone5はiOS7にアップグレードすることで2800にアップしています。

（Browsermark Benchmark：AnandTech）

CPUのパフォーマンス比較
「Geekbench 3」を用い計測しました。

Geekbench 3

iPad mini Retina：シングルコア 1394／デュアルコア 2522

iPad mini 第1世代：シングルコア 262／デュアルコア 498

Nexus 7（2013）：シングルコア 626／デュアルコア 1891

iPhone 5s：シングルコア 1417／デュアルコア 2555

iPhone 5：シングルコア 721／デュアルコア 1296

数値が大きいほど良い結果です。
CPUベンチでも、ブラウザと同じ傾向です。
Retina iPad miniとiPhone5sはともにトップです。Retina iPad miniは、初代iPad miniと比べてシングルコアで5.3倍以上、デュアルコアでは約5倍のスコアが向上しています。
Retina iPad miniはiPhone5sと同じA7チップ、初代iPad miniはiPad2やiPod touch第5世代と同じA5チップを搭載しています。プロセッサは2世代の開きがあります。Retina iPad miniは、初代iPad miniとはまったく別のマシンのようです。

GPUのパフォーマンス比較
「GFXBench 2.7」、「3DMark」を使い計測しました。

GFXBench 2.7 T-Rex HD OFF Screen

iPad mini Retina：1359 frames／24 fps

iPad mini 第1世代：179 frames／3.2 fps

Nexus 7（2013）：896 frames／16 fps

iPhone 5s：1382 frames／25 fps

iPhone 5：349 frames／6.4 fps

GFXBench 2.7 Fill Rate OFF Screen

iPad mini Retina：3,403,491,840 texels/sec

iPad mini 第1世代：945,532,032 texels/sec

Nexus 7（2013）：942,562,432 texels/sec

iPhone 5s：3,390,599,936 texels/sec

iPhone 5：1,758,184,960 texels/sec

いずれも数値が大きいほど良い結果です。
Retina iPad miniとiPhone5sとはほぼ同一です。続いて、Nexus7（2013）、iPhone5の順番です。新旧iPad miniとのスコア比は、8倍近いです。

3DMark Ice Storm Extreme

iPad mini Retina：10189

iPad mini 第1世代：計測不能

Nexus 7（2013）：7195

iPhone 5s：10360

iPhone 5：3372

3DMark Ice Storm

iPad mini Retina：11368

iPad mini 第1世代：2897

Nexus 7（2013）：Maxed out

iPhone 5s：Maxed out

iPhone 5：5391

数値が大きいほど良い結果です。
「Ice Storm Extreme」は1080p、「Ice Storm」は720pによる3D映像の計測です。
「Ice Storm」では、Nexus 7（2013）とiPhone5sとが最高値を超え計測不能となっています。そこで、上位の「Ice Storm Extreme」をテストしたところ、他のベンチと同様に、iPhone5sとRetina iPad miniがほぼ同一で首位となりました。Nexus7（2013）は少々水を開けられていますが十分良い結果といえます。

通信速度の比較
「Speedtest.net Mobile Speed Test」「RBB TODAY SPEED TEST」を使い、Wi-Fi接続での通信速度を計測しました。
計測は同じ時間帯に順番に1台ずつ計測しています。
スコアを見ると、バラつきがあるようにも見えますが、その時々で、計測サーバーの混み具合などで、スコアは大きく変動します。スコアは参考程度にお考えください。

Speedtest.net Mobile Speed Test：Ping／ダウンロード／アップロード

iPad mini Retina：15 ms／26.74 Mbps／17.17 Mbps

iPad mini 第1世代：15 ms／32.30 Mbps／23.74 Mbps

Nexus 7（2013）：22 ms／26.88 Mbps／31.37 Mbps

iPhone 5s：11 ms／29.48 Mbps／29.09 Mbps

iPhone 5：18 ms／21.55 Mbps／26.36 Mbps

RBB TODAY SPEED TEST：Ping／ダウンロード／アップロード

iPad mini Retina：7 ms／39.27 Mbps／24.07 Mbps

iPad mini 第1世代：9 ms／32.48 Mbps／31.03 Mbps

Nexus 7（2013）：12 ms／38.71 Mbps／31.36 Mbps

iPhone 5s：10 ms／41.60 Mbps／31.20 Mbps

iPhone 5：9 ms／39.075 Mbps／ - Mbps

結論

（写真左側は初代iPad mini、右側はRetina iPad mini）

すべてのベンチマークにおいて、Retina iPad miniとiPhone5sのスコアが際立つ結果となりました。

Retina iPad miniは、iPad miniから大幅な性能向上が見て取れます。わずか1世代の差ですが、もはや、まったく別のマシンであると言えると思います。

Retina iPad miniは、iPad Airと共に、iPhone5sに匹敵するiOSデバイスであることが確認できました。Retina iPad miniの価格は初代と比べて上昇していますが、その分、高解像度ディスプレイと圧倒的なパワーの両方を手に入れたことになります。

Nexus7（2013）とRetina iPad miniの比較では、今回試したすべてのベンチマークで、Retina iPad miniが上回る結果となりました。ただし、実際使用していて、両製品の処理性能の違いを実感する機会は少ないとも思います。

iPhone5sとiPhone5のスコアの違いは、Retina iPad miniとiPad miniとの違いほどではありませんでしたが、やはり、かなり異なりました。ただし、iOSバージョンの違い（iPhone5sがiOS7、iPhone5がiOS6）から、iPhone5をiOS7にバージョンアップした場合はもう少し差が縮まると思われます。

今回のベンチマークを見る限り、今年のAppleの新モデル（iPhone5s、iPad Air、Retina iPad mini）で、前モデルと比べて最も性能向上したのは、Retina iPad miniであるといえます。

iPad AirとiPad4のベンチマーク比較は下記をご覧ください。

iPad AirのグラフィックスパフォーマンスはiPad4よりも40〜70％向上各種ベンチマーク結果