iPad mini Retinaディスプレイモデルのレビューで、非常に気になるものがあったので紹介します。
iPad mini with Retina display Review:iLounge
iLoungeのJeremy Horwitz氏による、Retina iPad miniのレビューによれば、Retina iPad miniのディスプレイは、iPad Airよりも画面の鮮やかさの点でやや劣っているといいます。Horwitz氏は、Apple製品(未発表の製品の確かな裏情報などを含め)に関して非常に定評があり、この分野では著名な人物の1人です。
まず、総評として、Retina iPad miniの長所と短所が書かれています。ここでは要点を絞ってディスプレイに関する短所のみを確認します。
念のため断わっておくと、長所ももちろんたくさん書かれています。しかし、ここではディスプレイに関することだけに集中します。
Retina iPad miniの短所
- 新しい326ppiのRetinaディスプレイは、解像度に置いて過去のiPadに匹敵するが、カラーパフォーマンスにおいて顕著に不足しているようだ。
どんな風に色の表現力が異なるのでしょうか。ディスプレイについての該当箇所を見てみます。
iPad AirとRetina iPad miniのディスプレイの違い
今回テストした3台のRetina iPad miniはすべて同一のスクリーンキャリブレーションと品質を持つように見えた。いずれのスクリーンにも手点灯しないピクセル(ドット欠け)や明らかな色変化は見られなかった。Appleは、複数のメーカーからRetina iPad miniのためのスクリーンを供給しているという報道があるが、今回のテストでは、いずれも同じものであるように見えた。
多くの人は、より小さなディスプレイで同じ解像度であることからその携帯性と利便性においてRetina iPad miniはiPad Airよりも勝っていると考えるかもしれない。しかし、残念だが、それがすべてではない。
結局のところ、Retina iPad miniとiPad Airとでは、特に「色の正確さ(color accuracy)」(色再現性)において違いがある。
iPad Airの色は、Retina iPad miniと比べて、明らかに豊かであり鮮明である。このことは、あるゲーム(Anomaly 2)をプレイしていて気付いた。そこでiPad Airの豊かな青色は、Retina iPad miniでは弱まったように見えた。写真を比較するとRetina iPad miniにおけるピンクとレッドが抑えられているようだ。
続いて、Vector Unit「Riptide GP2」をiPad AirとRetina iPad miniでプレイし、そこで表示されるキャラクターのコスチュームの色見本(本記事冒頭の写真)を見た時、ショックを受けた。円環上の色見本は、iPad AirとRetina iPad miniで異なるように見えた。
このような違いは、264ppiのiPadと326ppiのiPhoneとの間のカラーガンマにおける類似した違いに基づく問題かもしれない。しかし、AppleはiPad miniのために色の正確さを向上させることでiPadシリーズの品質を統一することを選択すると思われる。
当面の間は、カラーコンフィグイメージの点でiPad Airが好ましく、その点でRetina iPad miniをよりも優位である。しかし、iPhoneシリーズのように、新しいiPad miniは、非Retinaの初代iPad miniや現行MacBook Air(Mid 2013)よりもはるかに良い。白と黒は、Retina iPad miniにおいてより純粋であり、ディティールの違いは更に大きい。
レビューを読んだ限りでは、Retina iPad miniのディスプレイは、iPad Airよりも鮮やかさの点で抑え目ではあるが、これはiPhoneでも確認されたことでもあるということになります。そして、たとえそうであったとしても、Retina iPad miniのディスプレイは、iPad miniやMacBook Airにも勝る、ということになります。
Retina iPad miniのディスプレイ画素密度は、iPhone5s/5c/5と同じ、326ppiです。おそらく、Retina iPad miniのディスプレイは、iPhoneと同じ技術で製造されているのだと思われます。そこから、両者は同じ傾向を示しているのでしょう。ちなみに、初代iPad miniのディスプレイはiPhone3GSと同じ画素密度163ppiです。
それでは、新旧iPad miniには違いがあったのでしょうか。
Retina iPad miniと初代iPad miniの違い
視野角と明るさおいて、新旧iPad miniは、事実上同一である。
Retina iPad miniの明るさの最大値は、初代iPad mini(上の写真のシルバーモデル)よりもほんのわずか低い。一方、明るさの最小値はほぼ同等である。もし、より明るく強烈なスクリーンを望むなら、Retina iPad miniは向かないかもしれない。
実際に見比べてみて
確かに、私の購入したRetina iPad miniは、初代iPad miniと比べて、明るさが若干低いと感じることもありました。
(左から、Nexus7(2013)、iPad mini、Retina iPad mini)
上の写真ではいずれのデバイスも明るさを最大にして撮影しています。右側のRetina iPad miniと真ん中のiPad miniとで、ほんの少しですが、明るさに違いがあるように見えます。もっとも、写真は向かって右側から光が当たっており、それによって最も光源に近いRetina iPad miniほど画面がうす暗く見えてしまうことは十分あります。
下の写真は、上にRetina iPad mini、下にiPad miniです。光源は右下にあります。ここでは、反対に、Retina iPad miniの方がほんのわずかに明るいようにも見えます。こうした検証は、かなり精度の高い環境で行わないと正確な結果は出ないとも感じました。
(上がRetina iPad mini)
今後、DisplayMateなどディスプレイを専門とするメーカーがより正確なテストを行うと思われます。初代iPad miniのディスプレイについては、こちらをご覧ください。
また、iPad AirについてはDisplayMateがテストを行っています(DisplayMate Flagship Tablet Display Technology Shoot-Out via CNET Japan)。
追記:DisplayMateによる、Retina iPad mini、Kindle Fire HDX 7、Nexus 7(2013)の広範囲にわたるディスプレイ検証レポートが出ています。こちらも必見です。
追記:iPad AirとRetina iPad miniのディスプレイに関して、より詳細なレビュー紹介記事をアップしました。合わせてご覧ください。
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iPad Airの情報については[iPad Air]に、iPad mini Retinaディスプレイについては[iPad mini2]に、それぞれまとめてあります。
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