急速充電に対応した「iPhone X」「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」に最適な充電器は何か。
新しいiPhoneは、次の充電器とApple USB-C - Lightning ケーブルで高速充電を行えます。
9to5Macのテストなどを踏まえると、総合的にはApple純正12W USB電源アダプタがベストな選択だといえます。あるいは10Wタイプも候補に入ります。いずれもiPadに同梱されていたり、別売りで比較的安価(12Wが税別2200円)に購入できます。
12W/10W USB充電器なら、何といってもiPhone付属のLightningケーブルを使えるのが経済的です。
一方、USB-C充電器はApple USB-C - Lightning ケーブル(税別2800円)が別途必要です。
もちろん、とことん速度重視ならUSB PD対応のApple純正29W/61W/87W USB‑C電源アダプタを使うべきです。
ただし、速いといってもそこまで劇的に高速になるわけではありません。というのも12W/10W充電器でも十分早いのです。そのことは次の2つのグラフでわかるかと思います。
上のグラフではiPhone8を、付属のApple 5W充電器、Apple 12W充電器、29W充電器、他社製のAukey 29W(AUKEY Amp PD Duo USB-C Wall Charger)、Anker 30W(Anker PowerPort Speed 1 PD30)で充電し、15分後と30分後のバッテリー充電割合を示しています。100%が満充電です。
15分経過後、Apple 5W充電器はわずか12%しか充電できていません。一方、Apple 12Wは23%、更にApple 29Wは28%も充電されています。他社製もApple 29Wと同等以上です。
30分経過後、Apple 5W充電器はようやく27%までたどり着きます。一方、Apple 12Wは46%、Apple 29Wは56%も充電されています。他社製もApple 29Wに続いています。
Appleは公式サイトで「iPhone を 30 分で最大 50 % という高速で充電可能」とうたっていますが、上記テストでも、Appleの主張を裏付けることができています。
スポンサーリンク
別のテスト(Dan Loewenherz氏)でも、同じような傾向です。
こちらのテストでは、6つのApple純正充電器(5W/10W/12W/29W/61W/87W)を使ってiPhone8 Plusを充電し時間当たりの充電割合を示しています。100%が満充電です。
iPhone8 Plusのバッテリーを50%充電するのにかかる時間は、5W充電器で約1時間20分もかかります。一方、10W充電器では約40分、12W充電器では約36分、29W充電器では約33分、61Wと87W充電器では約30分です。
80%充電するのにかかる時間は、5W充電器で約2時間13分かかります。10W充電器では約72分、12W充電器では約66分、29W充電器では約62分、61W充電器で約58分、87W充電器では約56分です。
最後に100%満充電するのには、5W充電器で約3時間12分かかります。10W充電器では約2時間14分、12W充電器では約2時間3分、29W充電器では約1時間59分、61W充電器で約1時間54分、87W充電器では約1時間53分です。10W充電器は5W充電器よりも1時間早く、3分の2の時間で充電が完了します。
こうしてみると、確かにApple USB-C充電器(29W/61W/87W)は高速です。ただし、12W/10W充電器もかなり健闘しているのがわかります。たとえば80%充電までかかる時間をみると29W充電器と12W充電器とではわずか4分しか違いません。それぞれの価格を見ると29W USB-C充電器は5200円、12W USB充電器は2200円なので2倍以上3千円の価格差があります。たとえば、iPhoneを2台持っているなら、29W充電器1台よりも、12W充電器を2台使った方がずっと早く充電できます。そして、ずっと安上がりです。
参考
- iPhone 8 や iPhone 8 Plus の高速充電について - Apple サポート
- Apple USB-C - Lightning ケーブルについて - Apple サポート
- iPad や Mac ノートブックの電源アダプタで iPhone を充電する - Apple サポート