iPad、高齢者にとってKindleや紙の書籍よりも読みやすい：ドイツの大学の研究結果

紙の書籍は電子書籍やタブレットで読むよりも読みやすいと一般的には考えられているかもしれません。
高齢者にとって、電子書籍端末Kindleや紙媒体の本よりもiPadの方が速く読めるという研究報告をNBCNews.com（via MacTrast）が伝えています。

iPad第4世代
PLOS ONEが発表したドイツのJohannes Gutenberg Universityの研究によれば、360名の読者のうち21歳〜34歳においては、紙の書籍、Kindle、iPadによる読書で読書のスピードあるいは脳の労力に違いは見られませんでした。しかし、60歳〜70歳の読者においてはその3つの媒体に明確な違いが表れたといいます。そこでは、iPadを使った読書の速度が最も速く、紙の本と電子書籍リーダーと比較してその労力を減少させたとしています。研究は読書の容易さを決定するためにEEG記録から眼球運動と脳の活動を測定しています。
その結果、高齢者にとって従来の電子書籍端末はiPadほど助けになりませんでした。高齢者の被験者がある短い文章を読んだ場合、Amazon Kindleでは約28秒かかりました。印刷媒体の書籍ではそれよりも1.5秒速く読むことができました。iPadでは紙の書籍よりも更に2.5秒速く、24秒で読むことができました。高齢者グループにとって読む速度は速い順にiPad、紙の本、Kindleとなります。なお、Kindleは具体的にどのモデルを指しているのかNBCNews.comの記事からは明確ではありませんが記事内のリンクはKindle Paperwhiteになっています。

Kindle Paperwhite
研究結果をみると、各媒体の速度の違いは数秒でニュースの見出しなど短い文章ではそれほど違いがないかもしれません。しかし、小説など長文を読む場合に、読む時間を大きく短縮することができると考えられます。
研究者は、この研究結果からiPadのバックライトによってその差が生じると結論付けています。タブレットデバイスはいずれもバックライトを搭載します。一方、電子書籍端末はEインクと呼ばれる省電力ディスプレイを搭載しています。しかし、被験者は紙の書籍を読むことがより多くの満足を得ると言いました。これは電子書籍に対する文化的なバイアスがまだあることを証明していると研究者は指摘しています。
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